2019年08月30日

声が低い人のためのVSTHostを使ったボイスチェンジャーの作り方

バ美肉化したいと思って恋声Roland VT-4を試してみたけど、元々の声が低くて可愛い女の子の声にならないと嘆いている人が多いかと思います。僕もずっとそうでした。そこで、自分用のボイスチェンジャーを作ってみることにしました。

現時点ではこんな声になれました。


基本的に無料のアプリで構成しています。なお、以下本文は、Windows10 64bit版を使用していることを前提で話を進めます。


■VSTHost

まず、VSTHostというアプリをインストールします。このアプリは後述するVSTプラグインを複数連結し、入力されたマイク音声にエフェクトをかけるために使用するものです。

サイトから「vsthostx64.zip」をダウンロードします。とりあえずここでは、「C:\vsthostx64」というフォルダを作成してそこにzipファイルの中身を展開します。


■VSTプラグイン用フォルダ

この後、複数のVSTプラグインをダウンロードしてインストールしていくですが、それらを入れておくために「C:\Program Files\VSTPlugins」という名前のフォルダを作成します。


■ノイズリダクションVSTプラグイン


「ReaPlugs VST v2.36 64-bit」をダウンロードし、インストーラを実行し、「C:\Program Files\VSTPlugins\ReaPlugs」にインストールします。


■ピッチシフトVSTプラグイン
をダウンロードし、zipファイルを展開し、中に入っている「RoVee.dll」を「C:\Program Files\VSTPlugins」にコピーします。


■ピッチシフトVSTプラグイン


の「Free Edition」をダウンロードして展開し、「Graillon-FE-2.2\Windows\Windows-64b-VST-FE」のフォルダの中に入っている「Auburn Sounds Graillon 2-64.dll」を「C:\Program Files\VSTPlugins」にコピーします。


■イコライザVSTプラグイン

「Windows (no installer)」をダウンロードします。「TDR Nova (no installer)\VST2\x64」の「TDR Nova.dll」を「C:\Program Files\VSTPlugins」にコピーします。


■VSTHostの初期設定

「C:\vsthostx64」の「vsthost.exe」を実行します。

2019-08-29.png

メニューの「File」→「Set Plugin Path」を選択し、右下の「...」ボタンをクリックし、「C:\Program Files\VSTPlugins」を選択して
「OK」ボタンを押します。

画面右端にある「Engine Output」と書かれたウィンドウの左上の鎖マークのアイコンをクリックします。

2019-08-29 (2).png


「0: Engine Input」の一番左にチェックマークを入れて「OK」ボタンを押します。

2019-08-29 (3).png

すると、「Engine Input」と「Engine Output」が線でつながったと思います。

ひとまずこれで保存してみます。メニューの「Plugin」→「Save Bank As」を選択し、「C:\vsthostx64」の中に「Default.fxb」として保存します。

一度アプリを終了して再起動して、直前と同じように線がつながっていれば成功です。

メニューの「Performance」→「Autosave Plugin Banks」を選択しチェックマークを入れます。

2019-08-29 (4).png

メニューの「Devices」→「Wave」を選択し、「Input port」を使用するマイクデバイスに選択し、「OK」ボタンを押します。

この状態で喋ってみて自分の声がスピーカーやヘッドフォン等から聞こえていれば問題ありません。

メニューの「File」→「New Plugin」を選択し、「C:\Program Files\VSTPlugins」の中にある「ReaPlugs」フォルダの中の「reafir_standalone.dll」をダブルクリックします。

画面上に「Reafir_standalone」が追加されたと思います。

2019-08-29 (7).png

前述の「Engine Output」の鎖マークアイコンをクリックし、「0: Engine Input」のチェックマークを外します。

2019-08-29 (8).png

「Reafir_standalone」の最上段の右から3番目のアイコンをクリックし、設定ウィンドウを表示します。

「Mode」を「Subtract」に変更します。その右側のチェックマークをオンにし、数秒待ってからオフにすると、その間にマイクに入ったノイズ音が記録されます。

これで、今後マイクに入ったノイズ音はある程度除去されると思います。この設定ウィンドウを右上の×ボタンをクリックして閉じます。

メニューの「File」→「New Plugin」を選択し、「C:\Program Files\VSTPlugins」の中にある「RoVee.dll」をダブルクリックして追加します。同様に「Auburn Sounds Graillon 2-64.dll」と「TDR Nova.dll」を追加します。

2019-08-29 (9).png

各プラグインの鎖マークアイコンをクリックし、「Engine Input」→「Reafir_standalone」→「RoVee」→「Auburn Sounds Graillon 2」
→「TDR Nova」→「Engine Output」とつながるように設定します。

この段階でマイクに向かって喋ると、少し女性っぽい声になっていると思います。

「Auburn Sounds Graillon 2」の設定アイコンをクリックし、ウィンドウを開きます。

2019-08-29 (10).png

左下の「PITCH-SHIFT」の下のダイアルをドラッグして右に回しながら、マイクに向かって喋って良い感じになるように調整します。僕の場合は「3.00」辺りがちょうど良かったです。設定が終わったらウィンドウを閉じます。

次に「TDR Nova」の設定アイコンをクリックし、ウィンドウを開きます。


右上の「IN」をクリックし、喋ってみると今の自分の声の周波数が分かると思います。


左下の「HP」と「LP」をクリックしてチェックを入れます。

画面上部の「HP」「I」「II」「III」「IV」「LP」のマークをドラッグしたり、「LP」ボタンの右側の山マーク(?)あたりの設定を変更したりしながら、良い感じに調整します。

一般的には、「HP」を右に移動して低音をカットし、高音を持ち上げる感じでしょうか。


■仮想ドライバ

VSTHostを一度終了します。


をダウンロードし、zipファイルを展開します。

「VBCABLE_Setup_x64.exe」を右クリックし「管理者として実行」をクリックし「OK」ボタンを押し、「Install Driver」をクリックします。


■各アプリでの使用方法

2019-08-29 (14).png

VirtualCastでは設定の一般を開き、入力デバイスを「CABLE Output (VB-Audio Virtual Cable)」に変更すれば、相手には変換された声が聞こえるはずです。

Clusterなど音声デバイスを選択できないアプリでは、以下の設定をおこないます。

コントロールパネル→ハードウェアとサウンド→サウンドの「オーディオデバイスの管理」をクリックします。

「CABLE Output」を右クリックし「規定のデバイスとして設定」をクリックします。同様に「規定の通信デバイスとして設定」をクリックします。


VSTHostを起動し、Devices→Wavesを開き、「Output Port」を「MME: CABLE Input(VB-Audio Virtual C)」を選択します。

なお、一番下の「Buffer」ですが、小さい数字にすることで遅延は減りますが、プチプチノイズが乗る場合がありますので、環境によって調整するのがいいでしょう。


■謝辞

D-ydqaxUYAIKwvW.jpg

なお、バ美肉化のためのアバターモデルはVRoid Studioを用いて作成しました。このアプリは僕のように絵心が壊滅的な人間でも3Dモデルを作成でき、VRMファイルをエクスポートできるすばらしいものです。開発者の方々に感謝致します。

また、上記のパジャマは、星井まゆきさん制作のBOOTH 星空パジャマ(3色セット) | まゆき星空通販を利用させて頂きました。
posted by 妹尾雄大 at 09:42| Comment(1) | バ美肉 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする