2017年12月19日

ラノベ1万冊分を自動生成してみても、人工知能は産まれない

人工知能研究の一分野である物語自動生成のプログラムを試しに作ってみたので、
それを使って出力したラノベ1万冊分のテキストを以下にアップしました。

・第1~130巻までのお試し版

・第1~10000巻フルセット(zipファイルで775MB、展開後は1.35GBになります)


■小説『アーティフィシャル・バトル・クライシス』について

この小説『アーティフィシャル・バトル・クライシス』(以下『ABC』)は、
私(妹尾雄大)が開発した物語自動生成プログラム『ジェネジェネちゃん』から
生成して出力したものです。

分量は、ライトノベル1万冊分になります。

ジャンルは、学園+ファンタジー+バトルロイヤルです。


■一部テキストの抜粋

1巻あたり4章×4節構成となっており、各節は「戦闘パート」「日常パート」
「日常食事パート」「日常お色気パート」のどれかになっています。ただ、
食事・お色気パートについては、あまりうまく出力できておりません。

一部テキストを紹介しますと、

第5巻4章4節(日常パート)

「うわ、何この人、きもちわるっ!!」
「いやぁぁぁぁぁぁっ!!!」
「所長」
「ヘルプぅ!?」
 どんな速度で入って来るんだよ!!
 でも、うん。
 他者に優しく、身内に厳しいと言われるだけはある。
 今回ばかりは相手が悪かった。
「ありがとうございます」
「早速ですが質問です」
「ありがたく存じ上げます」
「うん、あれは……ひどかった」
 そしてその影響に対する責任をとれる者など、俺達の中には誰もいない。
「いや、そうでもないと思う…」

第17巻3章3節(お色気パート)

「お花、きれいだね」
 進行方向に光が見えて、それが大きくなると、一瞬視界が無くなり――。
「手、繋いでいいか?」
 なるほど、俺にはない発想だ。
「ですね」
 大きすぎず、小さすぎず。
「す、住むって、こんな狭いとこに?」
「すみません、付き合ってもらって……」
「強制的に酷いことをしてすまない……でも、こうするしかなかったんだ」
 バイゼルンまでの行程は今日を入れて二日。

第695巻4章4節(戦闘パート)

「こっこ」
「なぜそのことを」
「この角を曲がった先に!」
「どういうことよ?」
 リンはその場で大きく息を吐いて座り込み、俺は駆け出す準備をしていた足を弛緩させた。
 不意にヒースは風を感じる。
 ぎょっとなった。
「時間感覚が狂うな」
 そして見た。
「…………………」
 そう勘違いされているのかと無言で肯定してるように振る舞う。
 その隙にアシュレイは素早く刀を取り上げた。
 知らないはずがない。
 陽菜乃とはこの宿の裏庭で剣を合わせた時が最後に会った記憶だ。
「だが、まだ何とかなる範囲だな」
 症状が悪化するや否や素早く介抱を始める陽菜乃にヒースが苦笑する。
「オイ、アシュレイ!」
 その時、アシュレイが動いた!
「ううん、本当は俺が気付かなければならなかったんだよね」
「で、アシュレイ」
 お前を殺す。
 雄たけびを上げながら突進。

第10000巻4章4節(日常パート)

「だから、好きなのを必要なだけ選んで、くれます……か?」
「いったい同時にいくつの風を操っているのやら」
「お前っ……状況見えてんのか」
 瞳が小さく、妙に強面に見える。
「まぁ……みてて?」
「明日ですね?」
 陽菜乃も平気だとの事。
 アシュレイも初めてだ。
「……右がひどいな」
 黙っていたマルティナが、しばらくして呟いた。
「あいつらはどうした」
 結局彼女たちは浩介を見捨てなかった。
 ストレッチなんてする必要すらなくなったけど、これも習慣ってやつだ。
「何だい」
 手紙もこの教会を通してやり取りしていたらしい。
 何があったのかをまだ自分には知るすべはない。
 卒業式が終わった。

最終章節がエンディングっぽいのは、偶然です。本当に偶然です(笑)。


■物語自動生成プログラム『ジェネジェネちゃん』について

物語自動生成プログラムは、一般的な意味での人工知能プログラムに
該当します。

『ジェネジェネちゃん』は、インターネット上から小説テキストデータを
収集して学習し、それを元に小説を自動生成します。

『ジェネジェネちゃん』は、いわゆる人工無脳の域を出ていないものでは
ありますが、以下の法的な解釈に絡みますので、おこがましいですが
ひとまず人工知能(AI)とみなします。


■AIに関する法的解釈について

2017年現在、日本国内の法律においては「著作権法47条の7」により、
「データ収集」「学習データの公開」「生成物の公開」は
著作権法違反にはならないと考えられています。

参考:
『「日本は機械学習パラダイス」 その理由は著作権法にあり』
ITmedia
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1710/10/news040.html

『コラム:機械学習パラダイス(上野達弘)』
早稲田大学知的財産法制研究所[RCLIP]
https://rclip.jp/2017/09/09/201708column/

ただ、生成物に著作権が発生するかどうかについては、「人間がAIに
指示して生成された」とみなされた場合は著作権は発生せず、
「人間がAIを道具として利用して生成した」場合は発生すると
考えられています。

参考:
『AIによって生み出される創作物の取扱い(討議用)』(PDF)
内閣府知的財産戦略推進事務局 首相官邸ホームページ
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/tyousakai/kensho_hyoka_kikaku/2016/jisedai_tizai/dai4/siryou2.pdf

今回の生成物『ABC』は、「どういう作風」にしたいという「創作意図」を
私が決め、AIを利用して作成したと解釈され、著作権が発生してしまう
可能性があります。


■『ABC』の取り扱いについて

『ABC』は、私が人工知能分野における物語自動生成技術に関する
研究によって開発したプログラム『ジェネジェネちゃん』の
出力サンプルです。

あくまで研究用であり、この生成物『ABC』も学習データも
商用利用や販売をおこなう意図はありません。

仮に『ABC』が「自然人が関与しないAIによる創作」と判断され、
著作権が発生せず、誰のものでもないと判断された場合であっても、
学習データの元となる小説の文章は作家による創作物であることを
十分に配慮し、『ABC』の転載等はしないようお願い致します。


■物語自動生成技術の未来について

この『ジェネジェネちゃん』自体は人工無脳レベルで未熟なものですが、
物語自動生成技術は今後より進化していき、いずれは作家の方が
小説を執筆する際の補助ツールの一部となったり、オープンワールド
RPGなどでのサブシナリオ生成に利用されたりしていくのだと
思います。

まあ、個人的には故栗本薫氏の第130巻で止まってしまった
『グイン・サーガ』の続きが読みたい、というのが最大の動機では
あるのですが、僕が生きているうちにそのような人工知能が
実現するのは難しいでしょうね。





posted by 妹尾雄大 at 16:30| Comment(0) | 物語自動生成 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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