2017年10月16日

VR360Viewerに搭載した単眼立体視機能についての考察

かわいいUIを搭載したHTC ViveとOculus Rift向け360度全天球パノラマ写真を
閲覧するアプリVR360ViewerをSteamを販売開始したのですが、それに
実装している「平行表示モード」について解説したいと思います。

まず、現実世界で、自分の利き目と反対の目を閉じながら、何かの写真を数十秒から
1分ほど眺めてみます。

Cat1.jpg

すると、立体的に見えてきます。もし見えないようであれば、写真と目の距離を
近づけたり遠ざけたり、また他の写真に変えてみて下さい。遠近感があって
解像度の高い写真がおすすめです。

この現象ですが、医学や心理学や脳科学でなんて名前が付けられているのか
知らないのですが、(誰か知っていたら教えて下さい(^^;)ひとまず「単眼立体視」と
名付けます。

しかし、なぜこのような現象が起きるのかはよく分からないのですが、おそらく
人類が狩猟生活をしていた時代に、片目が見えなくなった場合でも、森の中などで
空間を立体的に把握することで生き延びる確率が上がるからではないかと思います。

まあそれはいいとして、片目をつぶってずっと写真を見るのは疲れてきますよね。そこで
VRHMDをかぶって、両目それぞれの正面に写真を配置したら、両目で見ても同じように
立体的に見えるのではないかと思い、実装されたのがこの機能です。

VR360ViewerParallel.png

しかしですね、現実空間で見たときと比べると、そこまで立体的に見えないん
ですよね(笑)。試しにVRHMDをかぶったまま片目をつぶってみましたが、
それでも立体的に見えませんでした。HTC ViveとOculus Riftで見比べたところ、
わずかに後者の方が立体感が増したように思えたので、パネルの網目感が
影響しているのかもしれません。

とはいえ、平面ポリゴンを3D空間に配置したモードと比べると、明らかに
立体感が増しているのは確かです。

ちなみに、先日ブログに投稿した、


ParallelBillboard1.png

こちらの記事は、似たような感じで単眼レンダリングしているのですが、
逆にビルボードポリゴンの立体感が失われるですよね。なぜ
逆の現象になるのかは、ほんとよく分からないです(笑)。

まあ、VRのレンダリング方法はまだまだ未知の可能性があり、
もっと研究していきたいところですね。

posted by 妹尾雄大 at 20:53| Comment(0) | プログラミング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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